会社(株式会社)は、理由や時期如何に関わらず、株主総会の決議で取締役を解任することができます(会社法339条1項)。それゆえ、会社は、経営方針に合わないという理由で取締役を辞めさせることができます。
しかし、そうだからといって、残された報酬まで支払わなくてもよいということにはなりません。
正当な理由があれば兎も角、損害の賠償という形で任期までの報酬を支払わなくてはなりません(同条2項)。経営方針が合わないという理由だけでは、「正当な理由」に該当しない場合が多いと思われます。
また、取締役の報酬額は、株主総会の決議又は定款によって定められます(会社法361条1項)。
それがあるとの前提で、一旦、任期までの具体的な報酬額を決めてしまうと、その取締役の同意がない限り、会社が一方的に報酬を減額することはできなくなります。
実際の場面では、取締役の同意があったのかどうかが問題とされるでしょう。