会社と取締役との法律関係は、委任契約であり、委任契約は、当事者双方が自由に解除できます。それゆえ、理由如何に関わらず、会社は、取締役を解任することができます。もっとも、そうだからっといって、残された任期までの報酬まで払わなくてよいということにはなりません。正当な理由があれば別ですが、そうでない限り、残された任期までの報酬は払わなくてはなりません。経営方針が合わないというだけでは「正当な理由」には該当しない場合が多いと思われます。
また、取締役の報酬額は、株主総会の決議か定款によって定められます。それがあるとの前提で、一旦、任期までの報酬額を決めて会社と取締役が委任契約を締結してしまうと、その取締役の事前もしくは事後の同意がない限り、会社が一方的に報酬額を減額することはできなくなります。実際の場面では、取締役の同意があったのかどうかが問題とされるでしょう。